昭和から平成にかけて少女漫画の世界を彩ってきたレジェンド作家たちが、いま改めて注目を集めている。
ひかわきょうこ『彼方から』、篠原千絵『天は赤い河のほとり』のテレビアニメ化に加え、日渡早紀『ぼくの地球を守って』の実写ドラマ化も決定。さらに、少女漫画誌の周年企画や漫画家の画業記念展も続々と開催されている。
かつて夢中になった読者にとっては懐かしい再会となり、若い世代にとっては名作の扉を開く新たなきっかけになりそうだ。2026年に開催された展覧会を振り返りつつ、これから足を運びたい注目イベントを紹介する。
◆名作がアニメ、ドラマでよみがえる

2026年、少女漫画ファンを沸かせているのが、長年読み継がれてきた名作の映像化だ。
ひかわきょうこによるファンタジー漫画『彼方から』は、連載開始35周年を機にテレビアニメ化。異世界へ飛ばされた高校生・典子と、謎を抱える青年イザークの物語が、新たな映像表現で描かれる。

篠原千絵の『天は赤い河のほとり』もテレビアニメ化が決定した。古代ヒッタイト帝国を舞台に、現代日本から召喚された少女・夕梨が激動の時代を生き抜く歴史ファンタジーだ。1995年の連載開始以来、多くの読者を魅了してきた大作が、初めてテレビアニメとして展開される。

さらに、日渡早紀『ぼくの地球を守って』は実写ドラマ化を発表。主演は広瀬アリスで、主人公・坂口亜梨子の前世であり、動植物と心を通わせる特別な存在「キチェ=サージャリアン」の木蓮を演じる。
1986年に「花とゆめ」で連載を開始した『ぼくの地球を守って』は、前世の記憶を持つ7人の男女を軸に、月基地、異星人、超能力、惑星間戦争といった壮大なテーマを描いたSF少女漫画の名作。本編全21巻の後も、続編『ボクを包む月の光』、現在連載中の『ぼくは地球と歌う』へと物語は受け継がれている。
アニメと実写、それぞれ異なる映像表現でよみがえる名作たち。原作を読み返す絶好の機会にもなりそうだ。
◆少女漫画展覧会も続々開催された2026年
映像化だけではない。2026年は、少女漫画の歩みを原画でたどる展覧会も相次いだ。
創刊50周年記念 LaLa原画展~魅惑のクリエイション~

少女漫画誌「LaLa」の創刊50周年を記念した原画展が、7月17日から8月3日まで東京・新宿高島屋で開催された。
会場には総勢76人の作家による原画など、200点以上が集結。長年にわたり誌面を彩ってきた数々の作品を一望できる、ファンにとって特別な企画となった。
種村有菜 30周年記念展「きらめく少女たちの夢物語」

『神風怪盗ジャンヌ』『満月をさがして』などで知られる種村有菜の画業30周年を記念する展覧会も開催された。
東京会場に続き、大阪、京都へ巡回。華やかな衣装、きらめく瞳、繊細な装飾――種村作品ならではの世界観を、原画を通して味わえる内容となった。
水瀬藍&くまがい杏子 画業20周年記念原画展「みなくま展」
水瀬藍とくまがい杏子による合同原画展「みなくま展」は、1月9日から2月1日まで東京・有楽町マルイで開催された。
同じく少女漫画の第一線で活躍してきたふたりの画業20周年を祝う企画として、多くのファンを楽しませた。
連載50周年記念『王家の紋章』原画展

1976年に連載を開始した、細川智栄子あんど芙~みん『王家の紋章』。古代エジプトを舞台に、現代から時を超えた少女・キャロルと若き王メンフィスの運命を描く壮大な歴史ロマンだ。
連載50周年を記念した原画展では、美麗なカラー原画から名シーンの漫画原稿まで約90点を展示。映像作品の上映やセル画の展示も行われ、長く愛されてきた作品世界を多角的に味わえる内容となった。
東京・大阪会場での開催は終了したが、2027年1月には福岡会場での開催を予定している。
まだまだ開催!これから行ける! 注目の少女漫画展覧会
ここからは、開催中または今後開催される展覧会を紹介する。懐かしい作品をもう一度味わいたい人にも、まだ知らない名作と出会いたい人にも見逃せないラインアップだ。
清原なつの・松苗あけみ二人展
清原なつのと松苗あけみによる展覧会が、10月2日から26日まで東京・吉祥寺のリベストギャラリー創で開催中だ。
独自の視点と豊かな表現力で、多くの読者を魅了してきたふたり。原画などを通して、それぞれ異なる作家性に触れられる機会となる。
谷川史子 集英社画業40周年原画展

『各駅停車』『きもち満月』『きみのことすきなんだ』『はじめてのひと』などで知られる谷川史子。繊細な感情の揺れや、日常のなかにある恋のきらめきを描いてきた作家だ。
集英社での画業40周年を記念した原画展が、10月21日から11月4日まで、東京・池袋のPOP Culture Style IKEBUKUROで開催中。会場ではモノクロ・カラーの原画を展示するほか、谷川作品の魅力のひとつである恋愛表現に焦点を当てた「告白の瞬間」コーナーも設けられる。
「少女漫画・インフィニティ 萩尾望都×山岸凉子×大和和紀 三人展」

10月28日から2027年2月8日まで、東京・六本木の国立新美術館で開催される大型展覧会。
萩尾望都、山岸凉子、大和和紀という、日本の少女漫画史を語るうえで欠かせない3人に焦点を当てる。
『ポーの一族』『トーマの心臓』、『日出処の天子』『アラベスク』、『はいからさんが通る』『あさきゆめみし』などの原画や資料を展示。モノクロ・カラーあわせて800点以上が並ぶ予定だ。
一条ゆかり『有閑倶楽部展』

一条ゆかりの代表作『有閑倶楽部』の展覧会は、12月19日から2027年1月11日まで、東京・有楽町マルイ8階「SPACE1」で開催される。京都会場でも2027年2月12日から3月15日まで開催予定だ。
剣菱悠理、菊正宗清四郎ら、個性豊かな高校生たちが繰り広げる華やかで痛快な物語は、今なお根強い人気を誇る。原画を通して、ゴージャスでスタイリッシュな『有閑倶楽部』の世界に浸れそうだ。
連載50周年記念『王家の紋章』原画展 福岡会場

東京・大阪会場に続き、『王家の紋章』原画展は2027年1月に福岡でも開催予定だ。
美麗なカラー原画や名シーンの漫画原稿、映像作品などを通して、キャロルとメンフィスが生きる古代エジプトの世界を味わえる。長年のファンはもちろん、作品を初めて読む人にとっても、そのスケールと魅力に触れる機会となるだろう。
名作との再会は、新しい発見になる
アニメ化、ドラマ化、周年企画、原画展。2026年は、少女漫画の名作に出会い直す絶好の年となっている。
子どもの頃に繰り返し読んだコミックスを、いま読み返せば、当時とは違う人物の感情や物語の奥行きに気づくかもしれない。原画展では、印刷では見落としていた線の美しさ、彩色の繊細さ、描き込まれた小物や衣装にも目を奪われるはずだ。
懐かしい作品と再会する人も、初めてページを開く人も。この機会に、レジェンド作家たちが描いてきた物語の扉を開いてみてはいかがだろうか。
2026年・少女漫画関連の主な展覧会情報
【開催終了した展覧会】
■水瀬藍&くまがい杏子 画業20周年記念原画展「みなくま展」
会期:2026年1月9日~2月1日
会場:東京・有楽町マルイ
■種村有菜 30周年記念展「きらめく少女たちの夢物語」
東京会場:2026年4月17日~5月18日
大阪会場:2026年6月19日~7月20日
京都会場:2026年8月21日~9月21日
■「LaLa」50周年記念 原画展
会期:2026年7月17日~8月3日(東京会場)
会場:新宿高島屋
内容:総勢76名の作家による原画など200点以上
■連載50周年記念『王家の紋章』原画展
東京会場:2026年8月28日~9月13日
大阪会場:2026年10月9日~10月25日
展示内容:カラー原画や名シーンの漫画原稿など約90点
開催中・これから開催される展覧会
■清原なつの・松苗あけみ二人展
会期:2026年10月2日~10月26日
会場:リベストギャラリー創(東京・吉祥寺)
入場料:無料
■谷川史子 集英社画業40周年原画展
会期:2026年10月21日~11月4日
会場:POP Culture Style IKEBUKURO(東京・池袋)
入場料:1,000円(税込)
展示内容:『各駅停車』『きもち満月』『きみのことすきなんだ』『はじめてのひと』などのモノクロ原画・カラー原画、「告白の瞬間」コーナー
■「少女漫画・インフィニティ 萩尾望都×山岸凉子×大和和紀 三人展」
会期:2026年10月28日~2027年2月8日
会場:国立新美術館 企画展示室2E(東京・六本木)
観覧料:一般 当日2,200円/前売2,000円、大学生 当日1,000円/前売800円、高校生 当日500円/前売300円
展示内容:3人の作家によるモノクロ・カラー原画など800点以上
■一条ゆかり『有閑倶楽部展』
東京会場:2026年12月19日~2027年1月11日
会場:有楽町マルイ8階 SPACE1
京都会場:2027年2月12日~3月15日
■連載50周年記念『王家の紋章』原画展(福岡会場)
会期:2027年1月16日(土)~1月31日(日)
会場:博多マルイ 7階 イベントスペース
開場時間:10:00~19:00(最終入場は18:30)
入場料:2,200円(税込)
展示内容:細川智栄子あんど芙~みんによるカラー原画や名シーンの漫画原稿など約90点
※会期・会場・展示内容・料金は変更となる場合があります。来場前に各展覧会の公式サイトで最新情報をご確認ください。









